こんにちは。堤 国之助(twitter:kuninosuke1)です。
金融庁が発表した「年金だけでは老後に2,000万円が不足する」という報告書が物議を読んでいます。年金に対する怒りの声や、国民に対する良い問題提起という意見等、賛否両論、様々な意見が飛び交っています。
この報道を受け、金融機関主催セミナーへの参加者も増加しています。その中で、「銀行や証券会社は信用できるの?」という相談を複数頂きました。今回は、銀行・証券会社の実情をお伝えいたします。
銀行と証券会社、店舗型とインターネット型の違いは?
そもそも、銀行と証券会社は何が違うのでしょうか。法的な観点では大きな違いがありますが、当記事の読者は「証券会社は株式、債券を購入可能な金融機関」と大枠で捉えて頂ければと思います。投資信託等、他の金融商品は銀行でも購入可能です。資産形成に当たっては、基本的に証券会社を利用することを推奨しています。
さらに、銀行、証券会社共に、店舗型とインターネット型で大きく区分されます。店舗型は、営業員が顧客をフォローするスタイルで、インターネット型より全般的に商品手数料が高めに設定されています。逆にインターネット型は営業員がいないため、その分手数料が安めです。
営業員は損をする商品を勧めてくる?
銀行、証券会社の前提をお伝えしたところで、質問である「営業員が勧める商品は損をするのか?」を検証します。
結論として、営業員が勧める商品で、絶対に損をするということはありません。何故なら、得/損をするかが分かる=価格の上下が予測可能ということになります。もし、価格の上下が予測可能であるならば、空売り等、その予測を利用した取引で必ず儲けることが可能となります。絶対に儲ける方法を知っているのならば、会社自ら実践しているでしょう。したがって、絶対に得/損する商品は存在しないのです。
では、営業員は良い商品を勧めてくるのか、というとそうでもありません。営業員は手数料を稼ぐ商売なので、手数料が高い商品を勧める傾向にあります。手数料が高いということは、それだけ損する可能性が高くなります。営業員の紹介した手数料3%の商品(100万円の購入なら、手数料3万円(税別))が、インターネット型なら似た商品を手数料無料で購入可能ということは多々あります。
つまり、「店舗型証券会社の営業員は、損をする可能性が高い商品を勧めてくる傾向にある」というのは、一定の事実です。(もちろん、全ての営業員が当てはまるのではなく、良心的な影響員もいることは、言うまでもありません。)
証券会社の有効な利用方法
以上を踏まえると、通常の取引をする際はインターネット型証券会社が適していると分かります。
一方で、店舗型にもメリットがあります。それは商品ラインナップの充実度です。店舗型は、歴史ある会社や、銀行と結びつきが強い会社が多いため、案件を多数保持しています。そのため、IPO(新規公開株)や、新発債券(ソフトバンク新発社債 等)といった商品の取扱量は、インターネット型証券会社を上回ります。
この特徴を加味すると、購入したい商品を大量に保有する店舗型証券会社を見つけ、その商品だけを購入することが、上手な店舗型証券会社の利用方法と言えるでしょう。(ただし、購入時の手数料は注視してください。)
以上、銀行と証券会社、インターネット型と店舗型の違い、営業員が勧める商品の真実、店舗型証券会社の活用方法の纏めになります。ご愛読いただき、ありがとうございました。
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