配当利回り6.01%のAT&T。減配のリスクはないのかを分析。

個別銘柄

こんにちは。飯田隆太です。

 

 今回は、年間利回り6.09%の(2019年6月28日付け)の「配当貴族」(Dividends Aristocrat)として知られるAT&Tを紹介します。今後世界的な株式市場の暴落時には、真っ先に購入したい銘柄の一つです。

 

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 以下では、そもそもAT&Tとはどのような企業か、そしてインカムゲイン狙いの際に最も気になる減配リスクについて、書いていきます。

 

AT&T の事業内容 

 AT&Tは、世界規模でサービスを展開する米国最大、世界最古の通信企業です。

 全世界の従業員数は30万名で、米国の地域通信や長距離電話事業、国際通信を独占する巨大企業です。最近では、Time Warnerの買収や、競合他社のVerizonとともに5G回線サービスを開始したことで注目を集めました。

 セグメントは4つで、通信サービス(端末販売含む)、Warnerメディア、地域の軸で進出済みのラテン・アメリカ地域の売上、最後に、デジタル広告・分析企業のXandrになります。Adjustmensと記載しているのは、セグメントを統合計算するときの調整(社内取引等の相殺)です。

 

AT&Tのセグメント別 売上高の推移

(出展: 同社2018 Annual Reportのセグメント情報より作成。)

 

近年の売上・利益動向

 

AT&Tのセグメント別 売上高、営業・当期利益率の推移

(出展: 同社2018 Annual Reportのセグメント情報より作成。)

 2017年は、レガシー回線のUnlimited Plan(使い放題)への切り替えや、天災地域への請求を休止/中止したことにより売上が減少しています。

 

 セグメント内訳を見てもわかるとおり、2018年もレガシー回線の売上は減少していますが、代わりにWarner Media買収による売上寄与とデジタル広告・分析サービスXandrの伸びにより全体の売上は増加となりました。

 

これらの分野も通信サービスとのシナジー効果は期待されるものの、今後の伸びでは未知数かつ、基盤となる5G回線で首位を取れるかが肝になります。5Gの首位争いにおいては、業界関係者の間では、ライバル通信会社Verizonよりも、普及に適している規格を選んだAT&Tに一日の長があるとされており、将来的な見通しは悪くはないようです。

 

 配当利回りと株価動向

 インカムゲイン目的の銘柄への投資で最も気になるのは、(当たり前ですが)、「今後の減配リスク」になります。

 

 AT&Tの配当利回りの良さは、積極的な増配を通じた株主還元する姿勢ももちろん要因ですが、市場から将来を不安視され株価が下がってきたことも要因の一つです。

 

Warner Brothersを買収する際に膨れ上がった有利子負債に対する懸念と将来のビジネスへの不安から、2018年に買収を発表して以降、同社の株価は30ドル後半から30ドル前後へ落ち込み今に至ります。以降で、気になる有利子負債の見通しとともに減配リスクを見ていきます。

 

AT&T株価推移 – 過去2年間

(出展: EDGAR Onlineより抜粋)

減配は今後起こり得るか

 

配当の定義は、

 

「フリー・キャッシュ・フロー x 配当性向」

 

 ですから、それぞれの変数を追っていけば今後の傾向がつかめるでしょう。それぞれの数値を次から見ていきます。

 

フリー・キャッシュフローの今後の動向

 

 それではフリーCFを見てみます。フリーCFは、本業の稼ぎ(営業CF)から事業拡大への投資(投資CFの場合もあるが、AT&Tの場合はCAPEX)を差し引いてもなお残ったお金です。CAPEXは、事業拡大への関連投資金額を意味しますが、近年のAT&Tなら5Gへの設備投資関連と思われます。

 

AT&TのフリーCFの推移

(出展: 同社2018 Annual Reportより作成。

Free CFは、FSの定義どおりOperating CFよりCAPEXを控除して求めた)

 

 フリーCFの推移を見ると、2019は予測ですが、増加傾向にあることが確認できます。

 営業CFとフリーCFの差分が設備投資金額(CAPEX)なので、しっかりと設備投資も行ってきていることが確認できます。投資実績を踏まえても5Gへの準備を着実に行ってきたことが伺えます。

 

 また、フリーCFは、金利を支払った後に残ったお金なので、懸念されている有利子負債を考慮してもなお、配当に回せるお金を増やせていることも確認できます。

 そして、有利子負債自体も返済スケジュールをAnnual Reportに明確に記載しており、懸念材料が払拭されていくことが予定されています。

 

配当性向の動向

 最後に、フリー・キャッシュ・フローをベースとした配当性向は、約60%~70%で、まだ余裕があります。次世代5Gの投資を十分に行い、フリーCFも増加できてこの配当性向であれば、まだ安全圏ではないかと考察できます。

 

 以上をまとめます。

 主力および同社の基盤ビジネスとなる5G回線では、他社よりも優位なポジションに立つと噂されており、かつ、キャッシュフロー、配当性向の推移を見ても余裕が伺えることから、投資対象には十分足りえるのではと思っています。

 

 買うタイミングだけが問題ですが、もしドルコスト平均的に長期積み立てで購入するのであれば、今からでも構いませんが、やはり暴落時に大量に仕込むのがベストではないかと思います。 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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