8月14日ダウは800ドル安だが、いまだ割高の水準 – 暴落はこれから

マクロ動向・指標考察

こんにちは。飯田隆太です。

 

 8月14日のNYダウ株式市場は、大幅反落しS&P500種株価指数が3%近く下げたほか、ダウ工業株30種平均は800ドル安と今年最大の下げとなり、構成30銘柄が全て下落。株安に拍車がかかりました。

 

 一部のメディアでは、この動きを「暴落」と報じていますが、当サイトの考えとしては本当の暴落はまだまだこれから始まると考えています。以下、その理由を書いてまいります。

 

本当の暴落はこれから。個人投資家は暴落時の「災害時対策マニュアル」を用意しておくべき

 800ドル、3.1%安というのは確かに一日の動きとしてはかなり稀な動きではありますが、累積の下げ幅でみますと7月23日の最高値27,359ドルから8月14日の25,479ドルの差異は、6.9%しかありません。本当に「暴落」と言われるような売りが売りを呼び込み、総悲観がいつまで続くかわからない事態が起こったときには、歴史的な数字として20~50%程度のレンジで市場全体が落ち込みます。

 

 そして、逆イールドや、バフェット指数、シラーPER、銅値動き、原油在庫などさまざまな指標を見ても、いまだ暴落が起こることを示唆しており、わたしたちを含めた個人投資家の方々は、20~50%程度のレンジで市場全体が落ち込んだとしても落ち着いて対処できるように、取るべき行動を整理しておくべきです。

 

 大企業では、天災や不測の事態が起こった際でも、カスタマー・クライアントに対して、継続的にサービス・プロダクトを提供し続けられるように、「Business Contingency Plan」という、いわば「災害時対策マニュアル」のようなものがあります。サーバーがクラッシュしても、もう1つ、もう2つ目のバックアップサーバーを用意しておくことや、業務オフィスが物理的にやられてしまっても、すぐにオペレーションを再開できるオフィスのバックアップ(ホットサイト)すら用意している会社もあります。

 

 個人投資家も、暴落時には自分なりの「災害時対策マニュアル」を用意しておくべきです。とりわけ今のように、さまざまな指標が示すように、天災が来ると示しているのですから、津波が来たら高台に登る、などのように、ある程度の損切りはよしとして、キャッシュ・ポジションを高めるなども有効だと思います。またもしくは、当サイトで紹介しているように、「暴落時こそ買い」だというスタンスを持ち、高めていたキャッシュ・ポジションを少しづつ使っていくのもよいでしょう。

 

 最悪なのは、イナゴ投資家のように自分で考えを持たず、ただ株価の動きにまどわされて購入した株を狼狽して売り、取引手数料も含めて大きな損失をだしてしまうことです。既に紹介済みの指標動向をチェックすることや本当に暴落が起きた際の自分の行動を整理しておくことでこのような事態を免れることができます。

 

バフェット指数: 直近の数値は140.5

 以降は、現時点における指数のおさらいです。指数に関する説明自体は、以前の記事でも書いたとおりですが、所見の方もすぐに理解できるようにそのまま転載しておきます。

 

 バフェット指数とは、有名な投資家ウォーレン・バフェット氏が株価の割安・割高を測るときに使っていると言われる指標です。計算式は

 

「株式市場の時価総額÷その国のGDP×100」

 

です。

 

 株価は、株式を発行している企業の利益に基づき、購入され価格が決定されます。そして、企業の利益はその国の経済動向、端的に言えばGDPに依存します。つまり、その国のGDPと株価を比較すれば、株価が割高なのか割安なのかを判断できるというのが、このバフェット指数の根幹となる考え方です。

 

 一般的には100%を超えれば、割高であると言われており、過去の暴落時を見てもその関係性を確認できます。ただし100%を超えてから数年ほどたってから暴落する場合もありますので、暴落時期をピンポイントでわかるという指標ではありません。(これはバフェット指数だけでなく、指数、指標と呼ばれるものすべてにあてはまりますね)現在の株価が割高か割安化の判断材料として使うべきもので、逆にいえば、100%を越した状態がしばらく続くと暴落の危険性があると判断できる指標と言えます。

バフェット指数

(出所: 日経平均株価AI予想より抜粋)

 

 

 このバフェット指数ですが、直近の数値では140.5と依然高い数値であることが確認できます。経済の先行きとしては、PMI指数やOECD、世銀の経済予測は下方修正を続けており、高いバフェット指数を修正するように株価も下がっていくのではないかと感がております。

 

シラーPER: 8月15日のデータでは28.54

 

 次にシラーPERです。

ノーベル経済学賞受賞者のロバート・シラー教授が考案した指数で、インフレ率を調整した過去10年間の1株あたりの純利益の平均値でPER(株価収益率)を計算したものです。株価の割高・割安を大まかに判断する指標として使われています。

 

 過去の暴落を見ると、大体25を超えた付近で暴落が起こっていることから、25を超えていれば割高および暴落の危険性が示唆されると言われています。

 

 実際に、シラーPERを見てみると、2017年あたりから25を超えてきており、直近の2019年8月15日のデータでも28.54と、割高で有り続けているようです。

 

 

 

 これももちろん大まかな指標であり、25を超えたからすぐに暴落するといったものでもありませんが、米国株式市場が依然割高であることが確認でき、冒頭で申し上げた基本戦略からすれば、いまは過度にポジションを持つべきではないことがご理解いただけるのではないかと思います。

 

シラーPER

(出所: イェール大学ロバート・シラー教授のHP掲載データより作成)

 

 

銅価格動向も未だ冴えない

 LME(London Metal Exchange)の3ヶ月先物のデータでも銅の値動きは2018年6月頃を堺に下落傾向ですが、それ以降ずっと芳しく有りません。個人的に知り合いの投資家たちも、2018年6月頃より弱気に転じたと伺う方が多く、銅価格のみを見ているわけではないでしょうが、経済動向の先行きを同様に察知しているのだと思われます。

 

LME 銅価格 3ヶ月先物

(出所: London Metal Exchange、2019/08/16付入手)

 

 

 以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 以下、関連記事になります。

 

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