初心者向け: 知っておきたい「金」投資の概要。購入前におさえておきたいポイント。

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こんにちは。堤 国之助(twitter:kuninosuke1)です。

 

 世界的な金融緩和に伴う金利低下を受け、金の価格が上昇し話題となっています。今回は、意外に知られていない金への投資についての概要や知っておくべきポイントを紹介します

 

金融資産としての「金」のメリット・デメリット

 ご存知の通り、金はその希少性から、国家も保有する金融資産です。かつては金を担保として通貨の価値が決められていました。今日でも中国、ロシアなどは自国通貨防衛のために金の保有率を高めています。

 

 金のメリットはなんと言っても、その安全性です。各国がその価値を認めていること、実物が存在することなどから、代表的な安全資産として認知されています。対する金のデメリットとしては「利息」が付かないことです。

 

 金利がつかないということは購入価格以上で売却しない限りは、資産が増えないことを意味します。また安全な資産といっても、金利はつかないにもかかわらず、手数料や経費はかかります。よって、通貨の暴落に備えるなどの意味合いでは無い限りは、金への投資は常に出口戦略(=売却)を考ておく必要があるということになります。

 

「金」の投資方法は大きく分けて3種類

 実際に金に投資する場合「純金積立」、「地金」、「金上場投信(ETF)」という3種類の手法があります。それぞれ概要についてお伝えします。

 

 「純金積立」は、テレビCM等で聞いたことがあるかもしれません。毎月一定額を販売会社に支払い、販売会社が金を保管する投資です。小額からでも購入可能で、金の管理が不要ですが、手数料が高い傾向にあります。

 

 「地金」は、現物の金を購入する手法です。多くの方が想像する金の延べ棒を、直接保有することになります。こちらも小額から購入可能ですが、金の管理という手間がかかります。金庫の購入などのコストが発生します。

 

 「金上場投信(ETF)」は、投資信託(ETF含む)を利用した購入方法です。金の価格に連動する投資信託で、証券会社で購入可能です。株等を既に投資されている方は一番なじみやすい方法でしょう。
 他の方法と比べると、手数料が安い点も魅力です。ただし、金上場投信(ETF)は基本的に現物資産の金と交換ができません。本当に金を保有したい場合は「純金積立」か「地金」を選ぶ必要があります。

 

 以上の情報をまとめたものが以下の表になります。

 

 

純金積立

地金

金上場投信(ETF)

メリット

・現物の金と交換可能
・小額から投資可能

・現物の金と交換可能
・小額から投資可能

・証券会社で購入可能
・小額から投資可能
・手数料が低額

デメリット

・手数料が高額

・手数料が高額
・保管コストが必要

・現物の金と交換不可

 

投資先としての「金」

 上述の通り、金に投資する意味合いは、売却前提の値上がり期待か通貨危機などへの備えとなります。前者の場合は、金の価格は、市場がリスクオフムードになっている際に上昇するという性質をおさえておく必要があります。

 

 金は安全資産としての役割から、株式相場が下落する局面や不安定な場面で価格が上昇します。そのため、米中貿易摩擦などの不透明な要因が相場を覆っている2019年9月現在、歴史的な高値圏を維持しています。

 

 よって、ここから更なる株式相場の下落と金の高値を目指して購入するというのも一つの考え方だと思います。しかし、株式相場の下落を予測しているのならば、現金資産を増やして、暴落した株式を拾っていくほうがリターンは高いだろうというのが筆者の見解です。

 

 それでも、もし金投資をしたいという場合は、ETFへの投資をおすすめします。理由としては、株式相場と同様、金の相場動向を予想することは難しく、ドルコスト平均と手数料も安いETFの組み合わせは無難な選択肢であるからです。

 

以下、関連記事です。
上述したとおり、株式相場が下落する確率が高いと考えるならば、暴落時へ備えて現金比率を高めた方がリターンは大きくなるでしょう。以下の記事は、このような考えと準備を記述しています。

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 また、相場が不透明な状況で安定性を求めるならば、AGG、BNDといった債券のETFへの投資もおすすめです。これらの債権ETFも、リスクオンの際は価格下落、リスクオフの際は価格上昇という金と同様の性質を持ち、また金利ももらえますので出口戦略を考えずとも経費・手数料で負ける確率が低いので、こちらのほうが初心者に適している金融商品だといえるでしょう。

 

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 以上、知っておきたい「金」投資をご紹介しました。ご愛読いただき、ありがとうございました。

 

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