歴史的な株価変動の行く末と、個人投資家の対応方針

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こんにちは。堤 国之助(twitter:kuninosuke1)です。

 

 2020年2、3月の相場は歴史的に語られることとなるでしょう。過去最大の上昇と下落をこの短期間で目の当たりにされた方は、貴重な経験をしたことと思います。一方、歴史的な記録の相場の中で、個人投資家はどのような投資戦略をとるべきなのか、今回は投資家のアクションと今後の相場を分析していきたいと思います。

 

「史上初」イベントの連続

 2020年3月12日、ニューヨーク・ダウは$2,352.60の下げ幅となりました。これはダウ下落率としては史上最大の数値です。翌2020年3月13日ニューヨーク・ダウは$1,985.00の上げ幅となりました。これはダウ上昇率としては史上最大の数値です。そして2月からの相場で、ニューヨーク・ダウの上昇、下落金額過去最大を何度も更新されています。文字通り、歴史的な相場の中にいるといって過言ではないでしょう。

 背景はコロナショック、及びそれに対する経済政策です。中国で発生したコロナ感染者は世界に拡大を続け、アメリカ、スペイン等の国々では非常事態宣言を発令する状態となり、WHOはパンデミックであると宣言しています。この影響で世界中の株価は急落、ニューヨーク・ダウは$29,500から$21,200まで下落、日経平均も24,000円から17,400円まで下落する事態となりました。

 対するアメリカは、①500億ドルの予算を準備してコロナウイルスを封じ込める、②連邦学生ローンの利子を全て免除する、③エネルギー省に対し原油の戦略的備蓄を実施する、といった施策を宣言。結果として2020年3月13日ニューヨーク・ダウは$1,985.00と史上最大の上昇となりました。

 

今後の相場見通し

 アメリカの施策で一旦は株価が上昇しましたが、これで市場が安定するというのは希望論でしょう。過去、景気が後退してから回復するまでの期間は、平均11ヵ月となっており、長い時には18か月を要しております。今回のコロナショックは一時的なイベントによる弱気相場で、景気後退につながらないという意見もあります。しかし、コロナショックによる実経済への影響、バブル市況となっているハイ・イールド債等、構造的な下落要因が潜んでいることもリスクです。そのため、非常事態宣言を以て景気が落ち着くとは考えず、向こう半年は景気動向と株価を注視する必要があります。

 

 

いずれは復活するニューヨーク・ダウ

 ではアメリカ、ニューヨーク・ダウは上昇が見込めないかというとそんなことはありません。むしろいつかはまた最高値を更新する日が来るだろうと確信しています。1896年から始まり、120年以上の歴史を持つニューヨーク・ダウは、この間ずっと過去最高値を更新し続けています。

 ニューヨーク・ダウは、これまで幾度となく大幅な下落に見舞われています。1987年10月19日の「ブラックマンデー」では、前週末比率で22.6%の下落。ですが、この時は2年間で元の価格に回復しています。 「100年に1度の金融危機」と言われる2008年のリーマンショックでは、2007年10月時点で1万4000ドルを付けていたニューヨーク・ダウが、2009年3月にかけて約半分となり、7,000ドルを割り込みました。ところが、2010年11月には11,434ドルまで回復し、リーマンショック直前の水準を回復しました。このようにニューヨーク・ダウは暴落と復活の歴史を繰り返してきたのです。

 ニューヨーク・ダウがなぜ上昇を続けるのか、気になる方は『ニューヨーク・ダウが上昇を続ける理由

 

投資家の姿勢と対応方針

 当ブログはこれまでアメリカ株、インデックスへの長期投資を推奨してきました。祖のスタンスはこの相場でも変わらず、むしろこのような非常事態に真っ先に自国経済を守る国はアメリカであると再認識しました。

 今後、不安定な相場が続くでしょうが、ドル・コスト平均法を利用した時間分散投資で、福利の力を最大限に活用するというスタンスは変わっておりません。これまでインデックスに投資してきた人は、狼狽売りなどせず、時間を分散して買い続けることをおススメします。ただし、株価は大きく下落しているため、購入金額を上げることも選択肢の一つとして考えられます。詳しくは、『下げ相場時の「買い下がり投資法」のススメ』を参照ください。

 

以上、歴史的な株価変動の行く末と、個人投資家の対応方針になります。ご愛読いただき、ありがとうございました

 

 

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