世界恐慌、リーマン・ショックに学ぶコロナショック対策

マクロ動向・指標考察

こんにちは。堤 国之助(twitter:kuninosuke1)です。

 

 先日の『上昇相場に潜む「二番底」』に対して、より詳細な情報依頼がありました。今回は観点を変えて今後の相場をさらに分析していきたいと思います。

 

二番底の可能性

 新型コロナウイルスによってマーケットは大荒れです。ニューヨーク・ダウは3/16に2,997ドル下落し、下落幅としては過去最大、下落率(12.93%)でもブラックマンデーに次ぐ史上2位となりました。リーマン・ショック後の暴落が底値を付けたのは、リーマンブラザーズの破綻から半年後の2009年3月でした。世界恐慌の時には1929年10月に暴落してから9カ月後に底値にたどり着きました。今回もこれで下がりきったと考えるのは早計でしょう。

 

「レミングの集団移動に惑わされてはいけない」

 投資の神様、ウォーレン・バフェット氏は「レミングの集団移動に惑わされてはいけない」と述べています。レミングとはカナダ北部や北欧などに生息するネズミ科の動物で、古くから集団自殺をするとい伝えられてきました。バフェット氏は「株式市場の参加者の中には、レミングの集団移動のように他社の動きだけを見て、よく考えずに我先にと皆と同じ方向に動く人たちがいる。我々はこうした動きに翻弄されてはいけない」と説いています。要は自分の頭で考え、行動すべきということです。この際に考える材料となるのが、過去の暴落の歴史です。

 

リーマン・ショックからの学び

 多くの投資家がこれからやるべきことは、当面の相場を検討することでしょう。そのためには過去のパターンから学ぶことがあるはずです。

 世界恐慌時、株価は直前のピーク時につけた高値に対して、翌年7月にはその9分の1にまで下落。元の水準に戻るまでに実に25年を要しました。一方、リーマン・ショックの時は直前の水準から最大46%下落し、その後株価が戻るまで5年半を要しました。

 今回のコロナショックは世界恐慌のような金融システムが破壊されるものではなく、実体経済の不況となります。だとすれば、世界恐慌より、リーマン・ショックの方が似通っていると考えられるため、投資家は5年半持っていれば元の水準に戻ると考えてもよいのではないでしょうか。

 また、そもそもコロナショックはリーマン・ショック級の経済危機なのか、という疑問があります。確かに実体経済は相当悪化するでしょう。しかし、既に米国・日本・欧州・中国でワクチンの開発が必死に進められています。今年中の開発は無理でも、数年以内に開発される可能性は十分にあるでしょう。そうすれば、人類と新型コロナウイルスは共存可能となり、マーケットは正常化されるはずです。ですので、リーマン・ショックより回復が早い可能性も十分にあるといえるでしょう。

 

個人投資家のアクション

 今回の分析から、二番底の発生は十分に考えられます。すると、我々投資家の取るべき行動は、現金と投資の分散戦略です。まだまだ株価が下落する可能性があるのならば、一度に投資せず、3か月、6か月先の6月、9月まで投資できるように、現金ポジションを管理することをおススメします。

 

 以上、世界恐慌、リーマン・ショックに学ぶコロナショック対策になります。ご愛読いただき、ありがとうございました

 

 

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