2週間に1度しか出社しない職場の経験から学んだ、「在宅」のメリット5つ。

キャリア・スキル

こんにちは。飯田隆太です。(twitter:リュータ)

 

 私がいま勤める外資企業の財務部では、ほとんどの人がだいたい2週間に1度の出勤しかしておらず、仕事のほとんどはメールとSKYPEで行っています。そして、この2週間に1回の出勤も人によってはSKYPEで参加するので、まったく出勤しない人もいます。

 まさに「在宅」制度をフルに活用している方ばかりの職場で、私自身もこの労働環境にとても満足しています。

 

 この部署で働くようになってから、ちょうど1年が経過し生活リズムも在宅を前提とした生活となってきました。またしばらく経つと、この環境が当たり前となり、いま感じているメリットも明文化できないままになってしまうと思ったのでこの機会に整理しておくことにしました。在宅ワークに興味をお持ちの方々の参考になれば幸いです。

 

① 通勤のストレスがない

 在宅ワークをはじめて、まず感じることは通勤のストレスがないことです。

 通勤のストレスがないことは、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に直結します。マクロミルが2016年に東京都と大阪府の通勤者2,000人を調査対象とした結果では、95.2%が通勤に対して「何らかのストレスを感じている」という結果です。

 

 通勤時間は「有効活用」すれば、無駄な時間にならないという主張をされる方はいますが、「有効活用しなくてはいけない」通勤は、裏を返せば本来の性質として無駄なものです。できるならば、通勤などしないで、通勤しなくてよい時間を自由に使える状態のほうがクオリティ・オブ・ライフ(QOL)が高いことは言うまでもありません。

 

② 自由な時間が増える

 通勤時間がないので、自由に使える時間が増えます。だいたいの人は1時間、多い人は1時間半から2時間近くの時間が一日の中で増えます。

 年間の稼働日が240日のすべてを出勤しないとすると、1年で240~480時間を増えることになります。

 私の場合は、この時間を副業や財務の勉強など自分の人生に直結するような時間の使い方ができているため、毎日の充実感も高まり満足しています。

 

③ 人間関係の不要な気遣いを減らせる

 通勤自体のストレスは既に触れましたが、在宅ワークすることでオフィスにいるときに感じやすいストレスも減らすことができます。

 

 上司や他の人との人間関係にもよりますが、常に課長や部長など上司の監視の下にある、日本のオフィスに典型的な「島型」の座席レイアウトはストレスだと感じる人は多いようです。個人としての意識が強いエンジニア気質、若い世代にこの傾向は強いようでITエンジニア向けのメディア等でもよく話題になっています。

 

 私が新卒で入社した会社は、商社でした。隣の人の席も近く、話し声が聞こえてくる「島型」のオフィスレイアウトが苦手でした。特に商社に勤める人たちは、良い意味でも悪い意味でも気遣いに非常にうるさい人たちが多く、事務処理を担当してくれる目上の女性や上司にどう見られているかを意識しなくてはいけないのがストレスでした。

 

 もちろん、人間関係が良好であればオフィスに出勤しようと、「島型」のレイアウトだろうとストレスを感じることは無いのかもしれませんが、人材紹介サービスのエン・ジャパンに登録する8割以上が「今までの職場で、人間関係に難しさを感じたことがある」と回答していることを踏まれれば、職場での人間関係にストレスを感じない人のほうが少ないのではと考えられます。

④ 自炊しやすいので生活費をおさえられる

 以前、外資コンサルティング会社に勤務し、クライアント先で業務改革等の仕事をしていときは、早くても帰宅が午後10時なので食事はすべて外食となっていました。少なくとも1,000円は、毎食使っていたのでベースとなる食費だけで月に9万円も使っていましたが、これではせっかく頑張って稼いだお金をただただ、食費に回していることになります。

 

 いまは、自炊中心ですので、月の食費も格段に下がり、月3万円程度ですんでいます。昼食のときは、仕事用のデスクから歩いてすぐの場所にあるキッチンで10~15分で自炊をします。余裕がないときは、冷蔵庫から、週末に作り置きし冷凍したご飯やおかずを取り出しレンジで温めて食べています。

⑤ 家賃を安くおさえられる

 在宅ができる前は、仕事も忙しく帰ってくるのも遅いため、できるだけ通勤時間が短い場所として池尻大橋を選び築10年の家賃10万円の賃貸に住んでいました。

 

しかし、いまは築3年未満の家賃7万円、45平米の1LDKに住めています。もちろん都心ではないですし、駅から10分以上ですが、通勤する必要がないのでこれで困りませんし、安い値段で住心地の良い場所に住めて満足しています。

 

 買い物も、散歩がてらに駅前に歩きに行けば、なんでも揃いますし、家電や細々したもので駅前で売っていないものはAmazonで買えば翌日には届くので何も問題ありません。

 

 現在の都心の家賃状況は、外国人投資家と大手デベロッパーが釣り上げている状態が続いており、実際に生活を営む人からすると高すぎる価格帯になっていると感じています。

 都内の企業に勤めるのは、より高い給与を稼ぐためですが、家賃も物価も高い都内で普通に生活しているとそこまで貯金はできませんし、ストレスが多いと消費に走るためますます貯金できないという本末転倒になりがちです。在宅の場合は、ストレスも少なくなりますし、家賃も安く抑えられるため貯金しやすくなります。

 

在宅ができる職場の探し方

 日本テレワーク協会の調査では、59.1%の人が在宅勤務をしたいという要望を持っているのに対して、実際に在宅勤務をしている人は8.9%にすぎなかったそうです。仕事の性質としても、「メールと電話さえあればオフィスに出勤しなくても仕事ができる」と答えた人は20~69歳の就業者のうち50.1%という結果とのことですが、このような状況に反して、在宅勤務できる会社はいまだ稀だといえるでしょう。

 

 在宅ができる職場の探し方としては、基本的にVorkersや転職会議の会員になって、「在宅」と検索すれば、見つかります。Vorkersでは、会社名、部署、職種などの限定された条件で、働き手の目線に立った情報が見つかります。

 

 また、大学の同期、転職者やエージェントと話していると、基本的には外資企業やベンチャー企業のほうが在宅制度が普及しているように感じます。

 

 外資の場合は、米国など本国で既に在宅制度が普及しており、どのように活用すれば労働者の満足度とパフォーマンス高めることができるのかを熟知しています。ベンチャー企業も、このような先進的な制度を活用し、働きやすい労働環境を提供することで能力の高い労働者に入社してもらうようにしています。

 

 一方で、古くからある日系企業は、一部の企業を除いて在宅制度を活用することに課題をもっているようにみえます。このような管理形態の経験がないという点と、管理の方法がわからないという点が背景にあるようです。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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