機会費用とは、選択されなかった選択肢のうちで最善の価値のことである。ある事業投資を選択することによって、別の事業機会を失うような場合、失ったほうの事業から得られる収益が該当する。投資プロジェクトで、既存の資産(設備、建物、土地)を使う場合、その資産を別の用途に使用したり、売却する場合に入るCFを機会費用として考慮する必要がある。たとえば、ある投資プロジェクトのために土地を使用することで、その土地を売却するなど、他の収益機会が奪われることになる。したがって、この土地の価値は機会費用であり、投資プロジェクトの費用として勘案されるべきである。
具体例で考えてみよう。駐車場として利用している土地が毎年100万円のCFをもたらすとする。この土地に建物を建てると、毎年の賃料が200万円を得られるならば、投資によって増加する毎年のCFは、差引きで100万円となる(建築費用も別途発生する)。賃料の200万円だけを考えて投資の経済性計算ができないことがわかるだろう。この場合の機会費用は、建物賃貸事業を選択することによって失われる駐車場事業からのCF100万円が該当する。
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