金融商品取引所市場に上場するためには、それぞれの市場ごとに定められた上場審査基準(形式基準、適格基準等)を満たさなければならない。
平成25年1月1日に、東京証券取引所と大阪証券取引所(現在は大阪取引所)が統合され、持株会社「日本取引所グループ」が創設された。そして、平成25年7月16日から、東京証券取引所には市場第一部、市場第二部、マザーズ、ジャスダック(JASDAQ)およびTOKYO PRO Marketの5つの市場が開設されるようになった。
市場第一部・市場第二部 | 国内外を代表する大企業・中堅企業が上場する日本の中心的な株式市場である。市場第一部・市場第二部を総称して「本則市場」という。 |
マザーズ | 近い将来の市場第一部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場である。規模や業種などによる制限を設けていない。 |
ジャスダック | 信頼性、革新性、地域。国際性という3つのコンセプトを掲げる市場である。一定の事業規模と実績を有する成長企業を対象とした「スタンダード」と、特色ある技術やビジネスモデルを有し、より将来の成長可能性に富んだ企業群を対象とした「グロース」という2つの異なる内訳区分を設けている。 |
TOKYO PRO Market | 2008年の金融商品取引法改正により導入された「プロ向け市場制度」に基づき設立された市場である。取引所から認定を受けたJ―Adviserが、取引所に代わって企業の上場審査や上 場後のサポートを実施する。 |
1 上場基準
上場審査基準には、形式基準(形式要件)と実質基準(適格要件)がある。
形式基準は、上場を中請するに当たって最低限クリアしなければならない要件である。上場審査では、まず形式基準を申請会社がクリアしているかどうかが確認される。
実質基準は、申請会社が上場会社としてふさわしいかどうか、取引所が適否を判断する基準である。企業の継続性および収益性、企業経営の健全性、企業のコーポレートガバナンスおよび内部管理体制の有効性、企業内容等の開示の適正性などについて審査される。
ここでは、市場第二部、マザーズおよびジャスダックの形式基準について主要なものを取り上げる。
市場第二部およびマザーズの主要形式基準
市場第二部 | マザーズ | |
純資産の額 |
10億円以上(連件純資産) かつ 単体純資産の額が負でないこと |
なし |
利益の額 | 最近2年間の利益(連結経常利益等)の総額が5億円以上 | なし |
時価総額 | 20億円以上 | 10億円以上 |
株主数 | 800人以上 | 200人以上 |
事業継続年数 | 3年以上 | 1年以上 |
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