個人投資家の強みは「待てる」こと。大暴落の日を「バーゲンセール」にするための準備とは

投資の基礎知識・思考方法

こんにちは。飯田 隆太です。(twitter:リュータ)

 

 6月20日にFOMCの利下げ可能性が示唆されてから、円高はさらに進み、6月21日時点では1ドル、107.32円となりました。

 

 日本の人口縮小とそれに伴う経済の衰退を踏まえると、米国を中心とした海外の株式に投資するほうが良いと考えています。そのため、円高の進むたびに少しづつドル転しています。今回も、50万円程度買いまししましたが、これから1円程度動きがあるたびにまた数十万円ずつ購入予定です。

 

 ドル転したあとに何をしているのか、というとブラック・ロック社のMMF(マネー・マーケット・ファンド)に投資しながら、アメリカ株式市場の大暴落を待っています。MMFとはなにか、市場の大暴落とはどういうことか、を詳述していきます。

MMFとは

 ドルを一旦置いておく場所としては、MMFは非常に優れた商品です。主な利点としては以下のとおりでしょう。

  • 基本的には元本割れのリスクがない
  • 売買手数料がかからない
  • 少ないながら、金利もつく(年利1.98%、記事執筆時点)
  • 再配当も勝手にしてくれるため手間もかからない

MMFの利率一覧

(2019年6月23日時点のMMFの利率。出所SBI)

 元本割れのリスクですが、リーマン・ショックのときも元本割れは起こしておらず、唯一、エンロン事件の際にだけ元本割れを起こしました。しかし、これは非常に稀な自体と捉えて問題ないでしょう。

 ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンドの概要としては、短期のCP(社債)を集約したもので、短期であり、かつCPは信用力の高い優良企業しか発行できないため、債権回収リスクも低いことが元本割れが発生するリスクが低い理由となっています。

 また売買手数料もかからないことも一旦の資金の預け先としては、非常に使い勝手がよく、毎月支払われる利息も自動で再配当してくれるため基本的には放って置いています。

 

「大暴落」の日まで待つ

 米国株式市場は、2018年12月の暴落時から既に回復し、以前の水準に戻りました。一方で、大暴落の予兆は依然、各種指標を見る限り存在しています。

 

 例えば、株式市場の過熱度を示す「シラーPER」というものがありますが、一般的に25以上でバブル水準とされていますが、すでにリーマンショック時点の水準を超えています。また、世界債権残高が膨れ上がっていることや去年度から経済成長の見通しをOECDが下方修正し続けているのを踏まえれば、大暴落が来てもおかしくない状況と言われています。

 

シラーPERの推移

(出典: イェール大学ロバート・シラー教授のHP掲載データより作成)

 

「待つことができる」という個人投資家の強み

 そんななかで、個人投資家が取るべきアクションは、現金保有率(またはMMFなど現金と同等の流動性をもつ資産)を高くして、来るべき大暴落を「お買い得のチャンス」にすることです。

 

 個人投資家の最大の強みは、「待てる」ことです。証券会社は、月次の売上や、保有証券残高などを目標のもと管理・維持する必要があるため、どうしても売買し続ける必要を持った存在です。そのため、暴落時の受け身を取りにくいと言われています。

しかし、私達個人投資家は違います。中長期的に起こるだろう事態に備えて準備することが可能です。

 

 リーマン・ショックの大暴落には、コマツや三菱商事など、優良株がPER3.5程度になりましたが、こうした銘柄を購入したことで、資産を2、3倍にした人たちは何人もいます。 今回、また来るだろう暴落もチャンスと捉えて、資産を増やすチャンスとするか、引き際を間違えて資産を大きく目減りさせてしまうかは、今からのアクションにかかっています。

 

 

 

 

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