こんにちは。堤 国之助(twitter:kuninosuke1)です。
今回は、投資初心者が陥りがちな失敗例をまとめてみました。私自身の過去の例も記載しております。こうして失敗例をまとめてみると短期的なリターンを追い求めて、情報に踊らされたり、投資に関連する知識(税金や手数料)がそもそも不足していたりといった例になりますね。当サイトをご愛読されている皆様の参考になれば幸いです。
(本記事は、bizSpa!フレッシュ様向けに寄稿したものの一部を改訂したものです)
ネット情報に踊らされる「イナゴ投資」
話題となり急騰している銘柄に投資する投資家を「イナゴ投資家」と呼びます。テレビやSNS、インターネットの情報を元に、短期間に株の売買を繰り返す投資家のことを指しますが、一過性の情報に基づいた投資で損をする投資家を揶揄する意味でも使われます。
話題の銘柄の株価の急騰時に購入し、急落に巻き込まれ損をするというのは、よく目にする光景です。インターネットやメディアで話題となり急騰している銘柄は、すでに割高となっている可能性があるためすぐに飛びつくのは危険です。
資産運用は投機ではありません。短期でバブルのような急騰を期待するのではなく、長期的な視野を持つことを心がけましょう。
証券会社の営業員のいいなり投資
対面の証券会社を利用していると、営業員が商品を勧めてくることが多々あります。言われることすべてを鵜呑みにして商品を購入し、損をする投資家の方が後を絶ちません。
誤解されている方が多いのですが、営業員が勧める商品で必ず損をするということはありません。どのような金融商品でも、得することも損することも、どちらもあり得ます。
一方で、証券会社の営業は手数料を稼ぐビジネスのため、高い手数料の商品を勧めてくることは多々あります。しかし、投資家からすれば手数料が高ければ、その分だけ最終的なリターンは減ってしまいます。そのため、営業員の言いなりになって商品を購入していると、手数料が高い分だけトータルで損する可能性が高くなります。
対面証券会社が紹介する商品の中にも、魅力的な商品は多々あります。大切なことは、判断を営業任せにせず、自分で考え結論を出すことです。
手数料の軽視
証券会社の営業員からの勧誘と関連しますが、手数料を軽視したことで、想定していたリターンを得られないことがあります。
対面証券会社の株売買手数料は、ネット証券会社と比べて、約10倍高い金額といわれます。また、投資信託は購入時手数料が、無料のものもあれば、約3%のものもあり、大きな差があります。
同様のリターンを出せる商品なら、手数料が安い商品を選ぶ。同じ商品なら最安手数料の証券会社で購入する。当たり前に聞こえるかもしれませんが、意外と軽視する方が多いようです。
リターンを出すために投資しているのですから、次に説明する、税金も含めて余計な出費を抑えるよう意識することが大切です。
税金を軽視する
別の記事では、非課税枠のNISAや積み立てNISAの利用を紹介してきましたが、通常の口座(特定口座)で売買した場合、投資利益に対して20.315%の税金がかかります。100万円利益が出ても、約20万円は税金として徴収されてしまいます。非課税口座の利用が多いと、失念してしまうかもしれませんが、決して無視できない税率です。
また、特定口座の場合、同一口座で発生した過去3年分の損失を、利益と相殺し課税対象の利益を減らすことができます。過去に100万円の損失が発生していれば、100万円の利益が出ても非課税となります。これを利用し、損切りのタイミングを、大きな利益が発生する年にあわせる等で節税効果を得られます。
こうした税制度を知らないと、資産運用でリターンを出しにくくなるでしょう。
欲張りすぎて売り時を逃す
株式取引において、売り時の見極めは特に難しい判断の一つです。株価はまだ上がるだろうと欲を出し、気づけば売り時を逃してしまった、という投資家は少なくありません。
自分の資産が増大する過程を見ている中で、冷静さを欠いてしまうのは、仕方ないかもしれません。こうした感情に流されないように、プロのトレーダーは、購入時点に売却金額をある程度決めておき、利益を確保する等、気持ちで売買が失敗しないようなルールを敷いています。この方法は個人投資家でも用いることができますので、売り時に迷ってしまう方は、ぜひ参考にしてください。
株価に生活を振り回される
私が始めて株式を購入した時、暇があれば購入株の価格をチェックしていました。長期投資を前提として購入していたため、頻繁な確認は不要です。今思うと無駄な時間を過ごしていたと思います。投資を始めたばかりの方は、同じような経験をしていることが多いようです。
資産の推移が気になるのは、当然のことでしょう。しかし、資産運用の目的の一つは、生活の不安を取り除くことです。それなのに株価のチェックで不要な時間や気を使って不安になっては本末転倒です。短期売買が目的でないならば、購入後はたまに株価を確認し、後は放っておくようなスタンスも、気持を安定させるのに有効でしょう。
以上、資産運用を失敗させてしまう、残念な6つの習慣を紹介してまいりました。投資で絶対に成功する方法はありませんが、失敗する要素を少なくすることは誰でも可能です。今回紹介した内容が、皆様の資産運用の成功につながれば幸いです。
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