こんにちは。堤 国之助(twitter:kuninosuke1)です。
2月20日に高値をつけた東証REIT指数はその後、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて急落し、2,250ポイントから1,145ポイントまで下がりました。この相場によりJ-REITの代表的なバリュエーション指標である分配金利回りスプレッド(分配金利回り-長期金利)は6.7%に達しました。
この相場を踏まえ、購入検討の価値があるJ-REITをいくつか紹介したいと思います。
J-REITの推移
01年9月のJ-REIT市場創設以来、分配金利回りスプレッドが急上昇したのは08年後半のリーマン・ショックと11年後半の欧州債務危機の2回です。このうち6.5%を超えたのはリーマン・ショック後だけです。
リーマン・ショック後には各不動産各社は金融費用増加から減配リスクが意識されました。J-REIT市場ではニューシティ・レジデンスが資金繰り悪化で破綻した他、中小型REIT市場も大幅減配を余儀なくされました。11年から12年には世界的なクレジット市場の混乱や東日本大震災による国内経済の低迷などにより、リスクプレミアムが大きく上昇しました。また、不動産市況の悪化により、賃料下落が意識されました。現状はこうした局面と同水準の、かなり悲観的な状況を織り込んでいるといえるでしょう。では、投資するとするならば、どの銘柄がよいのか、検証していきます。
J-REIT個別銘柄
①エスコンジャパンリート投資法人(2971)
2019年2月に上場した、デベロッパーの日本エスコンをスポンサーとするJ-REIT。またスポンサーの資本・業務提携先である中部電力もサポート会社として物件情報の提供等を行っています。投資方針としては首都圏、近畿圏、中京圏、福岡県の生活密着型商業施設及びその底地を主要投資対象と位置付け、土地建物と底地で半々となるポートフォリオ構成方針を掲げています。
②スターアジア不動産投資法人(3468)
債権投資ファンドとして発足して総合運用会社に成長を遂げたスターアジアグループをスポンサーとする総合型J-REIT。2019年2月1日時点のポートフォリオ規模は1,023億円、用途別ではオフィスが35%、物流施設が30%、ホテルが20%、住居が15%という構成。今後の取得対象物件として学生専用レジデ ンスに注目しています。
③スターツプロシード投資法人(8979)
スターツコーポレーションをスポンサーとする住居特化型J-REIT。当初はJASDAQ市場に上場したが2011年7月から東証に変更しました。2017年以降地方の小規模の物件を売却し、首都圏近郊を中心としたポートフォリオ構成になった。但し、他の住居系REITと比べて都心の投資比率が低いため、賃料変動が小さい特性を持ちます。2019年1月に投資対象を拡大し、スターツの開発案件(ホテルや商業施設を含む)をポートフォリオの25%を上限に対象とする方針。投資主構成(口数ベース)では個人投資家のプレゼンスが大きく40%程度を占めています。またJCRから「A-」という格付を取得しました。
④タカラレーベン不動産投資法人(3492)
マンション・デベロッパーとして知られるタカラレーベンをメイン・スポンサーとする総合型J-REIT。2018年7月上場。サブ・スポンサーとしてPAGインベスト・マネジメントや共立メンテナンス、家電小売大手のヤマダ電機が名を連ねています。ポートフォリオ規模(取得価格ベース)が約643億円、用途別比率で見るとオフィスが約8割を占め、残りは住居やホテル、商業施設等という構成です。
⑤Oneリート投資法人(3290)
みずほ信託銀行をスポンサーとする複合型J-REIT。投資対象はオフィスと商業施設。2018年9月21日時点のポートフォリオはオフィスが約96%、残りが商業施設という構成になっています。元々は不動産ファンド運営等を行うシンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ(SIA)をスポンサーとするSIA不動産投資法人として発足したが、SIAがみずほ信託銀行の傘下となったため、2015年12月にスポンサーが、そして2017年6月に名称がそれぞれ現在のものに変わりました。SIA不動産投資法人時代からの旗艦物件であったJタワービルを2017年10月に売却、2018年9月に増資を行い、ポートフォリオの入替えをしながら資産規模1,000億円となっています。今後も物件入替えによって質的改善を継続しながら、中長期的な資産規模目標2,000億円の実現に向けて取組みを進めており、格付けについてはJCRから「A」を取得しています
以上、J-REITが過去最高の割安水準に – 購入すべき銘柄は? -になります。ご愛読いただき、ありがとうございました
コメント