米国 CFOの半数がこれから景気後退にはいると予測。雇用者数・GDP成長率はすでにピーク。

マクロ動向・指標考察

こんにちは。飯田 隆太です。(twitter:リュータ)

 

 日経平均は8月26日に20,261円、NYダウは8月23日に25,628ドルをつけましたが、その記憶が忘れ去られるかのごとくに両者の株式市場は回復してきました。

 

 しかし、ECRI(Economic Research Institute)は、アメリカ合衆国のCFOの半数が2020年のアメリカ大統領選挙前にはリセッション(景気後退)にはいっているだろうとの考えを持っているとし、また、実質GDP成長率、非農業部門雇用者の成長率がともに、ピークを迎え景気後退の局面を迎えている、と発表しています。

 

(ECRI、The US Economy Isn’t In The Clear. A Recession is Still on The Table

 

 一般的な見解はFRBパウエル議長が述べるような、次のようなものでしょう。貿易戦争の影響により、製造業関連の見通しが悪くなっているが、小売動向および消費者物価指数も良い状況を保っており、米国の雇用統計が消費を下支えできるだろう。

 

 確かに、雇用統計を見ると、現在に至るまで雇用者数、失業率ともに極めて良い数値を維持してきました。

(出所: 大和総研、「米雇用者数は前月から減速も底堅い」、2019年8月5日より抜粋)

 

 しかし、ECRIの調査によればGDP成長率と非農業部門雇用者数の成長率はすでに景気循環の文脈のピークを迎えており、成長率で見ればグレート・リセッション(2000年代後半から2010年初頭)以来の低さを見せています。

(出所: ECRI、“The US Economy Isn’t In The Clear. A Recession is Still on The Table”より抜粋)

 

 雇用者統計が増加し続けなければ、消費も支えられなくなり、GDPも低下し続けていきます。法人税の低下などによりブーストしてきた、過去3年以上にわたる好景気は、すでにピークを迎えているというのがECRIの見解です。米国はまだ利下げの余地がまだ幾ばくかはあるので、延命はできるでしょうが、遅かれ早かれリセッションは来るでしょう。

 米国の株式市場は、今までの好景気と世界的な金余りの現象から記録的な高値を更新し続けてきましたが、リセッションにはいっていくとともに、大きな調整がされていくと思います。

 

このような局面で、我々個人投資家が取るべきスタンスは、次のようなものだと思っています。

 

  • 積立投資(積立NISAも含む)をされている方は、そのまま淡々と積立を続けるのが良いでしょう。景気後退にはいったとしても、その時期に購入した安い株価が、全体の平均購入価格を下げてくれて、景気の回復時に大きなリターンを生んでくれるはずです。

 

  • 景気敏感株関連に大きくポジションを取っている人は、そろそろポジションを見直し始めることを検討してもよいでしょう。

 

  • 現預金比率を高めておいて、一気に暴落した際に、資金を投入していくという考え方もありでしょう。
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