会計参与は、中小規模の株式会社が財務の健全性を確保することができるように、会計のプロである公認会計士(もしくは監査法人)または税理士(もしくは税理士法人)に資格を限定した機関である。会計参与の設置は任意であり、会計参与を置く株式会社を会計参与設置会社という(会社法第2条8号)。
会計参与は株式会社の役員であり、株式会社との関係(会社法第330条)、選任および解任(会社法第329条、339条)は取締役と同様である。
[1]会計参与の資格および欠格事由(会社法第333条)
会計参与の資格は公認会計士(もしくは監査法人)または税理士(もしくは税理
士法人)に限定されているため、これら以外の者は会計参与になることはできない。
また、税理士法の規定により税理士業務を行うことができない者などは会計参与になることはできない。
[2]任期(会社法第334条1項)
会計参与の任期は取締役と同様である。すなわち、原則として選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までである。
ただし、定款または株主総会の決議(普通決議)によって任期を短縮することができる。任期の伸長については株式会社の形態により異なる。
[3]報酬など(会社法第379条)
監査役と同様、報酬、賞与などは定款または株主総会(普通決議)によって決定される。なお、会計参与が2人以上いる場合であって各会計参与の報酬などについて定款の定めまたは株主総会決議がない場合は、当該会計参与の協議によって定める。
[4]会計参与の権限および義務(会社法第374~ 377条他)
会計参与は、取締役と共同で、計算書類の作成を行う。また、取締役等に対し会計に関する報告を求めることができ、会計帳簿等の閲覧・謄写を求めることができる。計算書類の作成に関し、取締役等と意見が異なる場合、会計参与は株主総会に出席して意見を述べることができる。
会計参与には以下のような義務がある。
1)善管注意義務
2)会計参与報告の作成義務
3)取締役等の不正行為や法令・定款違反事実を発見した場合における株主(監
査役その他業務監査機関)への報告義務
4)計算書類の承認をする取締役会への出席義務、意見陳述義務(必要があると
認めるとき)
会計参与は、その任務を怠って株式会社に損害を与えた場合は、株式会社に対し
損害賠償責任を負う(会社法第423条)。この責任は過失責任である
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