こんにちは。堤 国之助(twitter:kuninosuke1)です。
史上初の3万ドル超えに向けて、ニューヨーク・ダウのカウントダウンが始まっています。年初には米国によるイランの司令官殺害、1月末からは新型肺炎で他国の株価は軟調な一方、ニューヨーク・ダウは堅調に推移しています。当サイトでは基本的に米国株への長期投資を推奨していますが、なぜニューヨーク・ダウがこれほどまでに強いのでしょうか。今回はその歴史と背景を踏まえ、今後も上昇を見込める理由をご紹介します。
ニューヨーク・ダウの歴史
米国の代表的な30銘柄で構成するダウ工業株30種平均は、1884年に設立されました。当時は「ダウ・ジョーンズ鉄道株価平均」と呼ばれ、11銘柄からなる単純平均でした。
工業株の平均になったのは1896年で、ゼネラル・エレクトリック(GE)など12銘柄の「ダウ・ジョーンズ工業株平均」が始まりました。その後、対象銘柄は増加していき、1928年に30銘柄となりました。
ニューヨーク・ダウの歴史
こうしてできたニューヨーク・ダウですが、日経平均等の指標と大きく異なる点があります。それは構成銘柄の変遷スピードです。日経平均も市場降格や上場廃止等、銘柄の変遷は存在しますが、ダウは構成銘柄の除外、採用サイクルが圧倒的に早く、古い産業が外され、その時代に隆盛している銘柄が組み込まれます。
銘柄の変遷は時代の空気を色濃く映します。1万ドルに到達した1999年の時価総額上位は、IBMや資本財大手のユナイテッド・テクノロジーズ、GE、金融大手のJPモルガン等でした。ところが2万ドル到達時は、アップルやマイクロソフトといったIT大手が上位となりました。一方、グッドイヤーやコダックなどの名門製造業は構成銘柄から外されていきました。2018年にはついにGEも外され、30銘柄になって以降組み入れられた銘柄は一つも残っていません。
ニューヨーク・ダウと日経平均の違い
つまり、ニューヨーク・ダウは成長中や業績が好調な企業を採用し、不調な企業を外すことで新陳代謝をはかり、上昇を続けているのです。結果として株価が上昇する優良企業のみが構成銘柄となるため、指数も上昇します。
対して日経平均はそのような極端な構成銘柄の見直しは実施していません。戦後の日本は製紙や船舶企業が人気でした。次第に家電メーカー、金融機関と人気は移り行き、最近ではIT企業が好調なため人気です。そしてこれらの業種は構成銘柄から間引かれることなく、全て日経平均に含まれています。仮に日経平均を優良企業30社に絞れば、指数の上昇率は今と比べものにならないほど大きいことは、簡単に予想できます。
ニューヨーク・ダウの強さと今後の上昇
アメリカ経済が好調な今は、ニューヨーク・ダウだけでなくS&P500や個別銘柄も上昇しています。足元では新型肺炎の実体経済への影響から景気後退に突入するという声も出ております。ですが景気が後退し、株価が下がったとしても、中長期的に見ればニューヨーク・ダウは上昇し続けるでしょう。なぜならその時代に好調な企業を構成銘柄に採用することで、経済成長の恩恵を受け続けられるためです。
以上、ニューヨーク・ダウが上昇を続ける理由の紹介になります。ご愛読いただき、ありがとうございました
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